阿部譲之
あべよしゆき 仕事舞台裏とデザイン現場を惜しげもなく連載中。十四代目伝統木工の家に生まれ日米修行→NYの美大で工業デザイン→石岡瑛子氏のお手伝→フリーランス七転八倒→ちょっと新生銀行。花屋の立ち上げを経て、現在はデザインと物書き業。
2010年度グッドデザイン賞を受賞。NY時代から「デザインの現場」やインテリア誌に書き始め、最近では「デザインノート」シリーズの取材・執筆もやりました。「阿部書店」という名前のもとに、新たなビジネスの立ち上げ準備中。
ツイッター @yoshiabe
正式発注から丸3週間になろうという昨夜、インドからテスト版アプリが送られてきた。
これが、自分のiPhoneにインストールしてチェックできる一番最初のバージョンだ。デザイン画にすぎなかったアプリに、文字通り指で触れる、感動の瞬間である。
初めて仕事を頼んだ相手なので、最初のラフ版の出来がどうかで、先行きがある程度想像できる。半分楽しみでもあり不安でもある複雑な心境だ。送られてきたのが夜遅かったこともあり、また、見るのが微妙に恐ろしかったりもして、翌朝にインストールすることにした。
バリ島・ウブドゥは、田舎の山の中にあるが、外国人が波のように押し寄せる観光地。
でも、店が建ち並ぶ大通りをちょっと離れると、そこには昔ながらの田園風景が広がる。赤道直下の国であるがゆえに、1年に3回、米が収穫できるという豊かな大地だ。
ついに「寿命アプリ」をインドに正式発注した。開発者募集から1週間ちょっとという、あっというまのプロジェクトスタートだ。
11社+1人のiPhoneアプリ開発先からのオファーから選ぶのは、悩ましい道のりだった。日本の会社とは比べものにならない超積極的な営業活動に振り回されながらも、ベストの1社を選んだ。
もろもろの条件が絡んでいるのは言うまでもないが、一番大きな要素となる、「金」の沙汰からご説明しよう。海外アウトソースの胆となる要素あるからして。
愛用しているのは、真っ白なコピー用紙と、パイロットのジェルボールペン。次々に出てくるアイデアを超高速で書き留めるには、このコンビが無敵だ。
iPhoneアプリでも、ウェブサイトでも、そして、グッドデザイン賞を頂いたパッケージでも、はじまりの始まりは黒ペンと白い紙から生まれる。頭の中にしか存在しないデザインが、初めて目に見える形になるこの瞬間が「アイデア・スケッチ」だ。
今回は、その一部をちょっとお見せします。
iPhoneアプリ開発の募集を載せてから、数日。あっという間に世界各地の11社とフリーランスの1人から応募があった。
こんな仕事人探しはは生まれて初めてだが、入札のメッセージや売り込みの仕方もいろいろなら、英語のレベルもバラバラ。定型の営業文をコピペしただけの会社があったと思えば、こちらのデザインをしっかり検討した上で意見まで述べて入札していたり、はっきりと差があっておもしろい。