阿部譲之
あべよしゆき 仕事舞台裏とデザイン現場を惜しげもなく連載中。十四代目伝統木工の家に生まれ日米修行→NYの美大で工業デザイン→石岡瑛子氏のお手伝→フリーランス七転八倒→ちょっと新生銀行。花屋の立ち上げを経て、現在はデザインと物書き業。
2010年度グッドデザイン賞を受賞。NY時代から「デザインの現場」やインテリア誌に書き始め、最近では「デザインノート」シリーズの取材・執筆もやりました。「阿部書店」という名前のもとに、新たなビジネスの立ち上げ準備中。
ツイッター @yoshiabe
バリ島・ウブドゥは、田舎の山の中にあるが、外国人が波のように押し寄せる観光地。
でも、店が建ち並ぶ大通りをちょっと離れると、そこには昔ながらの田園風景が広がる。赤道直下の国であるがゆえに、1年に3回、米が収穫できるという豊かな大地だ。

人混みと観光名所が嫌いな店長と私は、太陽が照るつける田んぼの道を、特にあてもなく、散歩にでかけた。
道端のヤシの木の幹に、何か書かれた札がぶらがっていて、眼と足をとまった。
「FOR RENT」
南の島に、自分専用のヤシの木を1本借りられるとは、なんともロマンチックではないか。見上げると、実のつきもなかなかご立派である。
下の方の細かい字はあえて読まなかった。だから、本当は何の看板だったのかは定かではないのだが・・・。
斬新なアイデアやデザインの多くは、奇抜な「組み合わせ」によるもの。
紙切れ一枚、貼る場所がちょっといつもと違うだけで、ストーリーが生まれるものなのである。
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